いのいち勉強日記

Turingで自動運転の開発をしています。京大でPhDをとりました。Kaggle Grandmasterです。

【注目】ANTVR「MIX」広視野角軽量ARグラスが登場!?

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中国のVRヘッドセットメーカーANTVRが、
VRとARの2つを組み合わせたヘッドセット「MIX」のクラウドファンディングを行なっているようです!
 
MIX: The Smallest AR Glasses with Immersive 96° FoV by ANTVR — Kickstarter
 
www.kickstarter.com
 
8時間で目標金額は達成したということで、期待感が大きいです!
クラウドファンディング自体は2018年6月15日まで続くそうです!
このVR/ARヘッドセット「MIX」を簡単に紹介したいと思います!
 
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ホームページのリンクはこちら→ANTVR

 

 
(動画と写真はkickstarterのサイトより引用)
 
 

ARグラスとは?

 
ARっていうとポケモンGOを想定する人も多いかもしれません。
そう考えると今の認識ではARはスマホでするものって
思っている方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、ARを使うのにいちいちスマホをかざすというのは
けっこうめんどくさいことではないかと思います。
今はARという新しい技術に物珍しさでスマホをかざすことに何も感じてないかもしれませんが、
今後ARが普及するためにはARグラスのような簡単に装着できるタイプのデバイスが必須ではないかと思います。
 
いま、一番有名なARデバイスはマイクロソフトの「ホロレンズ」だと思います。
ただこれは技術者向けで値段が高く個人ではちょっと手が届きにくい。

 
また「Google Glass」というのも数年前に出されたそうですが
どうもうまくいかなかったようですね…。
 
VRヘッドセットに比べてあまり個人市場にいい感じのものがない印象ですが、
ARデバイスはいま各社こぞって開発に取り組んでいます。
 
ホロレンズも2019年には個人市場に向けて展開するという話もあります。
前回失敗したと言われているGoogleも「A65」という新たなARグラスの
開発が報道され、今すごく期待を集めています。
Appleも「Apple Glass」というARグラスを
2020年に出すと予想されています。
またMagic Leapという少し謎に包まれているが、
しかし期待感がやばい会社もあります。
 
そんな中、今回紹介する中国のANTVRが出す「MIX」という装置は
性能や値段を考えると一歩リードしたデバイスではないかと思います!


 

圧倒的に広視野角!!!

 
これまでのARデバイスでは視野角が狭くて
作り出した3D物体の一部しか見ることができませんでした。
先に述べたホロレンズも35°程度と言われています。
 
ですがMIXは視野角がなんと96°!!!
 
他のARグラスに比べると非常に大きいことがわかります!
HTC Viveと比べても負けてません!この視野角はすごい!
 
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この視野角を実現するために「Dual-Channel Mixed Optics」という技術が使われているそうです。
 
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「視野角」についてはNewsPicksのWEEKLY Ochiaiでも以前
「ホロレンズがさらにはやるために重要なポイントだ」と言及されていました。
その時のデバイスの現状は25°くらい、落合陽一さんのとこでその倍以上はあるよって感じでした。
その放送から半年ほど経っていますが96°ってかなりすごい数字じゃないかと思います。
 
Weekly Ochiai「マイクロソフトは“スマホの次”の覇者になる」 | ホウドウキョクnewspicks.com

全部面白いですが、
37分40秒くらいのところで「ホロレンズの技術課題」として視野角の話
41分30秒くらいのところで視野角と次に話す重さの話が出てきます!
 
 

軽量&快適!

 
MIXは非常に軽量で快適です!
その重さはなんと130gです!
 
「重さ」というのは非常に重要で、
ARデバイスが流行するかどうかの鍵にもなってきます。
 
重さ比較してみましょう。

MIX    :130g
ホロレンズ:579g
Oculus Rift:440g
HTC Vive :620g
PS VR  :610g
Oculus Go:468g


圧倒的に軽いですね!
これなら長時間の使用もストレスなくできるかもしれません!
 
 

コンテンツが豊富

 
MIXではSteamVRに互換性があります。
SteamVRでは多くの開発者が様々なゲームを作っており、
コンテンツが豊富であると言えます。
MIXがあればすでにある様々なゲームをプレイできます。
 
さらにMIXの面白いところは背景を選べるところです!
どういうことかというと、
MIXにはレンズに取り外し可能な黒いバイザーがあります。
VRモードでプレイする時は黒いバイザーをレンズにつけることによって
背景が黒くなり、今まで通りのVRをプレイできます。
黒いバイザーを外して透明なものに付け替えると、
背景が現実世界のままゲームをすることができます。

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もちろん現実世界が背景だとやりにくいゲームもあると思いますので、
そこはコンテンツによるのかなと思いました。
 
kickstarterのサイトを見ると、
今流行りのBeat Saberなんかは全然いけるなって思いました。
 
また、本日5月29日にMIXのデモがライブ配信されたのをたまたま見ることができました。
そこではデモされてたのは、あの有名な「VRカノジョ」でした!
それをみて「なるほどなー」と思ったのが、
VRカノジョのセットと同じ配置の家具を用意して、
女性だけをバーチャルにするという方法です。
MIXを通して見るとバーチャルな彼女がリアルの椅子に座ってるのです!
これは純粋にすごいとおもいました!

 
このコンテンツに感心すると同時に、
さらにいろんなものが生まれそうだなと期待感が高まりました!

 
 

他にもいろいろ盛りだくさんの機能

 

マルチトラッキング

 
MIXではポジショントラッキングの方法として、
「Outside-in」も「Inside-out」も両方使えるそうです!
Inside-outでトラッキングする時はPCのスペックが
高い必要があるので注意が必要です!
 
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Hand tracking・Eye tracking・コントローラー

 
ARをするときに様々なインタラクションをできるようにするために、
アクセサリーを使って機能を拡張することができます。
Hand tracking・Eye tracking・コントローラーが使えます!
 
標準のコントローラーは3DoFです。
6DoFのコントローラーはLiイオン電池が海外輸送がまだ難しいとのこと。
 
ただ、Outside-inのトラッキングシステムに6DoFコントローラーがついているので、
SteamVRとかのゲームをする時とかはそちらを使うことになりそうです!

 

まとめ

 
現状ではアプリがVRの背景リアル版という感じでした。
つまり、VR空間と同じ空間をリアルに再現して、
バーチャルなものを足していくという感じです。

 
現実空間のものを認識してバーチャルを足すというのは
まだこのデバイスでは難しく、少し先の話なのかなと思いました。

 
今後どのように現実世界がミックスして
AR、そしてMRになっていくのかなというのが楽しみです。
 
MIXでは何と言っても広視野角を実現している点がブレイクスルーだなと思います。
そして軽量で快適というところがARグラスの普段使いの可能性を感じさせてくれました。

 
今後このようなデバイスが続々出てくるんじゃないかと思うと非常に楽しみです!